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7章 2/10『みつばちマーヤの冒険』クモに捕らえられたマーヤ [『みつばちマーヤの冒険』]

第7章 クモに捕らえられたマーヤ
☆7. MAYAS GEFANGENSCHAFT BEI DER SPINNE
作 WALDEMAR BONSELS 絵 Franziska Schenkel 

  すでに午後になっていました。太陽は大きな野菜畑のくだもの木の後ろにあり、
そこを抜けて飛んでいきました。木々の花はすでに盛りが過ぎていましたが、小さな
マーヤは花また花が光り輝いていた頃のことを覚えていました。光りより明るく、
魅惑的に清らかで、青い空に愛らしく映えていました。甘い香りやほのかな光に
幸せな気持ちでうっとりし、ずっと心に焼き付けておこうと思いました。
  時が過ぎるなかで、まためぐって来ると思い、彼女の心は広い大地に生き
られるすばらしさで幸せでした。
  畑の奥の方には、純白に輝く光線の真ん中に、薄い黄色い顔をつけた
ジャスミンの白い星状の花房がほのかな光を放っていました。甘い香りを
そよ風が運んでくれました。この季節に花をいっぱいつける菩提樹はないの?
とマーヤは真っ赤な夕日が枝に掛かるように見えていた大きな威厳ある菩提樹に、
幸せな気持ちで思いをめぐらせました。
  彼女はキイチゴの蔓の間を飛びました。青い実がすでになっていましたが、
花もまだつけていました。ふたたびジャスミンの所に行こうと飛び立とうとした時、
突然、何か異様なもので、額、肩そして羽がおおわれ、麻ひしたようになりました。
そしてマーヤはこの未知の出来事の特別な驚きの中でしたが意識はありました。
突然マーヤの飛び立ちが妨げられ、落ちたような感じで、隠れた悪い力によって
彼女の触覚、足、羽を見えないもので捕らわれて落下したような感じでした。
わかりませんでした。彼女の羽は動かなってもふわふわ漂っているのです。
素晴らしく柔らかくやさしくしなり、彼女を支えています。少し持ち上がり、
ふたたび傾きそしてあっちへこっちへと揺れます。まるで風にひらひら舞う
葉のようです。
つづく
Die Biene Maya120.jpg

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