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7章 4/10『みつばちマーヤの冒険』クモに捕らえられたマーヤ [『みつばちマーヤの冒険』]

第7章 クモに捕らえられたマーヤ
☆7. MAYAS GEFANGENSCHAFT BEI DER SPINNE
作 WALDEMAR BONSELS  絵 Franziska Schenkel
iffiundkurt120.jpg

  羽に銅のように光る茶色の水玉模様がある、小さい青色っぽいチョウチョウが
マーヤの目の前を飛んでいきました。
  チョウチョウは、小さなマーヤの嘆きを聞き、そしてクモの巣で必死にもがいて
いるのを見ると「ああ、かわいそうに」と言いました。「死が楽でありますように、
かわいそうに。私はあなたを助けることはできないわ。私だって今日の夜にも網に
掛かるかもしれないのよ。でも今はまだ飛べているわ。お元気でね。深い死の眠り
の中でも太陽を忘れませんように。」
  そしてチョウは、花、太陽、そして生きている心地よさに酔いながら、ひらひらと
飛んでいきました。
  マーヤの目から涙がどっと流れ、今や体の自由はきかず、支えも、どこかに
掴まることもできません。あっちへこっちへと縛られた羽や足がぶつかります。
誰も助けてくれる人はいませんが、出来るだけ大声で助けを呼び、ブンブンと
鳴きました。でもそうすればするほど、網はきつくなっていきました。その時
カッサンドラの警告が恐怖を持って思い起こされました。「クモの巣には気を
つけなさい。私たちはクモの威力で残忍な死をとげてしまいます。彼女には心が
なく、悪賢いので誰も逃れられませんよ。」
  死への恐怖で、最後の力を振り絞り必死に逃れようとしました。クモの巣を
支えている長くて強いささえ綱のどこかに裂け目があったとしても、巣の中で
動けば動くほど危険になると感じ、マーヤはクモの巣に捕らわれた
恐ろしさを感じました。
  彼女が脱力感を感じたとき、大きなキイチゴの葉の下のとても近くに
座っているクモを見ました。クモが飛びかかろうと、ぞっとするほど真顔で葉の下に
構えている姿を見た時のマーヤの驚きは表現できないほどです。クモは意地悪く,じらし、
物凄く冷血に恐ろしく光る目で小さなマーヤを見ました。
**つづく**

Die Biene Maya120.jpg

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