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7章 6/10『みつばちマーヤの冒険』クモに捕らえられたマーヤ [『みつばちマーヤの冒険』]

第7章 クモに捕らえられたマーヤ
☆7. MAYAS GEFANGENSCHAFT BEI DER SPINNE
作 WALDEMAR BONSELS  絵 Franziska Schenkel

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  これはマーヤの予期していない問いかけでした。そうじゃないの本当にちがうの。
  「ついうっかりしていたの」と、マーヤは喜びと希望で震えながら叫びました。
不気味なクモだけど悪い企みは持っていないようです。あなたの巣に気づかないで
巻き込まれてしまったの。ごめんなさい。」
  クモは少し近寄ってきました。
  「あなたはずいぶんとむっちりしてるのね」と、言いながら一方の足をそして
もう一方の足も少し前に進めて来ました。糸が揺れます。こんなにも細い糸が
大きなクモを支えるなんて驚きでした。
「ほどくのを手伝って」と、マーヤは頼みました。「私とてもとても感謝するわ。」
「だから来たのですよ」と、クモは意味ありげな笑みを浮かべて言いました。
笑ってはいるのですが、悪そうで恐ろしげに見えます。
「あなたがもがくと巣がだめになります。少しの間、静かにしていたら自由にして
あげましょう。」
  「ありがとうございます」と、マーヤは言いました。
  クモは彼女のすぐ近くにいます。そしてすでにマーヤがしっかり巻かれている
と確信しました。
  「針はどうしたの」とクモは聞きました。
  ダメ、何て憎々しいムカムカする顔つき。マーヤはクモが触ってきたらと思うと
ぞっとして震えました。でもクモは努めて親切を装っていました。
  「私の針のことは心配しないで。引っ込めているから、誰も傷つけないわ。」
  「そうしてくださいね」とクモは言いました。「では、気をつけて!静かに
しているのですよ!巣はとても大切です。」
  マーヤは息を呑んで静かにしました。彼女は、急に同じ場所でグルグル回った
ように感じ、目まいがしました。マーヤは目を開けていられず、そして気分が悪く
なりました。でもどうしたのかしら?!目を開けると驚きました。新しい糸で巻か
れていました。それはクモが手元に持っていたのでしょう。
つづく
Die Biene Maya120.jpg

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