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11章 『みつばちマーヤの冒険』 花の精の旅立ち [『みつばちマーヤの冒険』]

第11章 花の精の旅立ち  ☆ 11.Die Elfenfahrt
作 WALDEMAR BONSELS  絵 Franziska Schenkel

11-Die Elfenfahrt250.jpg


◆der Blumenelf 花の精
◆der Nachtfalter 蛾
◆der Tagesfalter 蝶
◆die Fledermaus コウモリ
◆das Glühkäferchen ホタル

◇Akazien アカ
◇Jasumin ジャスミンや
◇Geißblatt スイカズラが
◇Glockenblume ツリガネソウ
◇Ranke ツル

少女 Mädchen
青年 Jüngling

  花の精とマーヤが夏の夜を飛んでいる時、鳥のように
大きくて黒っぽい蛾に出会います。蛾はいつも美しい蝶と
比べられ、黒っぽくて醜いと言われていました。でも
マーヤに「きれい」と,言われ、悲しい気持ちから開放され
たようでした。
  蛾に見送られ、花の精とマーヤが先へと進んできました。
「あ、星が落ちた」とマーヤは言いました。
「あれは蛍よ」と花の精がやさしく教えてくれました。
花の精はマーヤがいろいろな事を知らなくても笑わず、
解るように手助けしてくれました。
  人間に出会える場所のジャスミンとスイカズラの茂みに
やって来ると花の精は蛍に少し照らしてくれるよう頼みました。
 「人間は私を夢でしか見ないのよ」と、花の精は言うと、
人間から見えないように葉をまとい、輝く髪に青いリンドウ
の花をかぶりました。そうして蔓の上の方にまで行きました。
花の咲いているジャスミン枝のわきから月の光に中に若い
二人のカップルをマーヤに見せてくれました。
  マーヤは少し憂いを帯びてはいけど、幸福に包まれた
美しい少女をじっと見つめました。花の精と同じ金色の髪を
夏の夜の光が照らします。
  赤い唇が少し開いて、哀愁と至福の吐息が漂います。
幸福をすべて彼に与えたいようでした。少女は何か言うと、
彼女の微笑が魔法を掛けたようでした。
  マーヤは大地に生きているものが、微笑むなんて知り
ませんでした。彼の目は輝き、この世界全部が自分もの
になったようで、悲しみ、災難は永遠にこの世から
消えたかのようでした。
  マーヤは、二人の姿に心深くうたれました。
人間がお互いに愛し合っている姿が一番美しいことを
知りました。そして振り向くと、蛍の光は消えて、
花の精はいなくなっていました。
  マーヤは遠く、細く赤くなっている地平線を
見つめました。

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