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≫Heiterkeit in Dur und Moll≪②編集 E. ケストナー [ドイツ関連書籍]

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わらいについて思うこと
時は十月、まさに木々に刻まれる。霧が立ち登り、葉は落ちる。
そして私はこんな時にわらいについてどう思っているかを書くのだ。
その上4週間も私は病んでいて熱は上がったり、下がったりである。
月は欠けつつある下弦で、私もやせていく。調子が悪い。痛みを抱えて
不快な気持ちで窓辺にすわって雨を見続け、書付ノートに目をじっと
落とし考える。ぴったりだ!時は十月と書き、医者は処方箋を書き、
私は言葉と挿絵に笑いについて書く! 五月だったら、病気にだれも
ならないのに。特に私は元気になる。そうだったら私に与えられた
テーマに素直に向かい合って、軽やかな気分ですでに取りかかって
いただろう!でも今はこんなふう。 肘掛け椅子でぐったりしている。
それに窓ガラスが曲がるほどの嵐。 笑うより何百回も泣いている。
よりにもよって、こんな遠大な真面目なテーマ「軽快な気分」なんて。
そして私は自分を非難している一方、はっとし、落ち着いてきて
いる気がする。私がずっと、わかっていたはずのことが再び心に浮か
んできた。本当にテーマ「軽快な気分」より真面目なものはないのだ
ろうか!出版社が求めているのは、私がタイプライターに向かって座り、
心から笑えということではないはずだ。わらいについて考えて書く
ことだ。それは世の中で一番重大な事ことであろう。そう、それなら
季節が秋で、痛みがあっても、私はそれを試してみることができる。
aus Heiterkeit in Dur und Moll :
ERICH KÄSTNER
(抄訳 Fusako Yamada)

◆エーリッヒ・ケストナーはドイツの詩人・作家で子供向けの等などの素敵な作品を多く書いています。
(Emil Erich Kästner: 1899年2月23日* Dresden - 1974年7月29日†München)

『エーミールと探偵たち』Emil und die Detektive(1929年)
『エーミールと三人のふたご』Emil und die drei Zwilinge(1934年)
『点子ちゃんとアントン』Pünktchen und Anton(1931年
『飛ぶ教室』Das flieende Klassenzimmer(1933年)
『ふたりのロッテ』Das doppelte Lottchen(1949年)
『動物会議 』Die Konferenz der Tiere(1949)
『サーカスの小人 』Der kleine Mann(1963)息子の Thomasのために書いたお話
『サーカスの小人とおじょうさん 』 Der kleine Mann und die kleine Miss(1967)
 ケストナーの最後に書いた児童書


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