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7章 8/10『みつばちマーヤの冒険』 クモに捕らえられたマーヤ [『みつばちマーヤの冒険』]

第7章 クモに捕らえられたマーヤ
☆7. MAYAS GEFANGENSCHAFT BEI DER SPINNE
作 WALDEMAR BONSELS  絵 Franziska Schenkel
iffiundkurt120.jpg

  クモはすばやく地面に降りると、新しく紡いだ糸の端を小さな石に置きしっかりと
張りました。それから丈夫な綱を握り、巣に掛かりぶら下がっているマーヤのところに
やって来ました。そしてゆっくりと獲物を引きずって行きました。
  「私の可愛い子よ、日陰に連れて行きましょう」と、クモは言いました。
「太陽で干からびないようにね。それに上だと、下にいて見張れないので、私の
脅し効果を、あなたは他のものたちに与えてしまいます。スグロムシクイは時折、
私の巣を荒らそうと考えているし。さてと、知ってのとおり誰があなたに用が
あるかわかるわね。私はオニグモのテクラ。あなたは名のらなくていいの。
名前なんてどうでもいいのです。あなたはおごちそうなのだから。」
  可愛そうなマーヤは地面の上を覆うキイチゴの茂み暗い日陰に吊るされています。
残忍なクモに、ゆっくりと餓死させられます。頭を下に吊るされた状況では持ち
こたえるのは難しくなってきています。マーヤは一人むなしくブーンと鳴きましたが、
助けを呼ぶ声もだんだん小さくなって来ました。だれが助けてくれると言うのでしょう。
マーヤの故郷では、災難にあっていることを知るものはいません。だから助けが飛んで
来ることはありません。
  突然草原でだれかが不機嫌にぶつぶつ言うのが聞こえます。言葉が聞き取れます。
  「みんなにたっぷり場所を作ろう!」
  彼女の不安だった胸は晴れ渡ったように高鳴りました。そしてその声の主が、
コウロギのイフィとひそひそ話しをしていて、その後ひっくり返り困っていたのを
彼女が助けたセンチコガネのクルトだとわかりました。
 「クルト」と、マーヤはありったけの声で叫びました。「クルトさーん!」
. つづく
Die Biene Maya120.jpg

「絵本で覚えドイツ語」

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